美輪明宏氏
77歳。史上最年長でNHK紅白歌合戦に初出場。
「ヨイトマケの唄」1965年(昭和40年)
男たちに混ざって工事現場で肉体労働に従事する母親と、
貧しさを笑われ、いじめられて泣いて帰るその息子。彼らの人生のドラマ。
桑田佳祐、槇原敬之、米良美一、泉谷しげる、石川さゆり、なぎら健壱、坂本九ら
様々な歌手がこの唄をカバーし、歌い継がれている曲。
この唄にはモデルがいる。
美輪さんが小学校の頃の父兄参観日、着飾ったお母さんが並ぶ中、
汚い服を着たお母さんが教室に入って来ました。
勉強ができない、貧しい家庭の子のお母さんで、
クラスのみんなが「やっぱり」と言った目で見ていました。
そのお母さんが、その子の顔を拭き、服装を直し、
そして垂れた鼻に唇を直接つけて啜ってあげてたのを見た。
そしてそのお母さんがこう言いました。
「勉強できるから、金持ちだから、喧嘩が強いから偉いんじゃない。
一番偉いのは、真っ正直で、働き者で、
お天道様の前で胸を張って努力している人間だ。
だからお前は偉いんだよ。」
今の日本人に求められる精神性は、再び豊かな、カネの溢れた世の中にしてやるという
「意地」ではなく「意気地(いきじ)」だと思っています。
”自分は真っ当に生きているという尊厳”という意味です。
「武士は食わねど高楊枝」という言葉がありますが、そうした誇りです。
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私は、美輪明宏さんの感性、感覚、感受性が好きです。
見習いたい。