パクリだらけの中国の漫画事情
「中国を愛しているからこそ、そして自由な民主国家になってほしいからこそ、この漫画を描いた」
言論統制の敷かれている中国の漫画家が、日本の出版社を通して自国の絶望的な内情を漫画で描いた。
『中国のヤバい正体』は、そんなにわかには信じがたい本だ。
著者の孫向文氏(筆名・30歳)は浙江省の杭州で暮らす生粋の中国人。
幼い頃に『聖闘士星矢』に熱中したことから漫画家を目指し、20代半ばに中国本土で漫画家デビュー。
今回、出版に合わせて来日しているという話を聞き、インタビューが実現した。
中国にも漫画誌はいくつかあるが、お寒い状況のようだ。
中国の漫画家にとって最も大きな障害となっているのが表現規制の問題だという。
「あだち充先生の『タッチ』だと無意味に風が吹いてパンチラとか出てきますよね。
あれは中国だとダメです。パンチラ程度でもエロはダメ。
学生は勉強をするものだから高校生以下の恋愛もダメ。血の出る暴力シーンもダメ。
ホラーなど陰気なものはダメ。そんな話を描いて持っていくと編集者に破り捨てられます」
そんななか、寛容に許されているのがパクリだという。
「パクったら労力も減るし質も上がる。日本漫画のストーリー、表紙絵、キャラをそのままパクる。
そんなんだから、まともに考えるのがばからしくなります。
著作権が尊重されない国でクリエーターは育ちません」
中国人漫画家の悩みは深い……。
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何処か日本にも当てはまるような話でもある。(教育分野でかな?)
しかし、ポジティブに考えれば、
30歳の中国に住む青年が中国を愛し、自由な民主主義を願っている。
要は、今の中国共産主義ではダメだ。ということを知っている。
この流れが中国全土に広まることを願っています。