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独り言

筑波大学大学院教授:古田博司

冷戦期、朝鮮半島は共産主義勢力と自由主義勢力とが拮抗するバッファーゾーン(緩衝地帯)だった。

大国が直接接触する危機を避け、北朝鮮と韓国という小国同士が代理で思想戦・心理戦を繰り返す。

それでも小さな軍事衝突は避けられず、世界規模の冷戦が終わってもそれは続き、

その度に両陣営の心胆を寒からしめてきた。  

 

問題は、この小国たちが大国からの自立を試みたことにあった。

北朝鮮は、核・ミサイルの開発に特化して、武力発展を遂げた。

一方の韓国は外資を導入し、貿易に特化して、経済発展を遂げた。  

北朝鮮はその結果、国内の生産体制が崩壊して、中国の経済植民地状態に陥った。

金を借りることもできず、買ってもらえる商品も作れない。

米国を核・ミサイルで挑発し、中国にたかる。

北朝鮮のバッファーゾーンとしての存在価値はゼロを超えてマイナスになった。

 

韓国はというと、外資占有率と貿易依存度の異常に高い国になった。

利益を外国投資家に持って行かれる一方、輸出を増やして国内総生産の半分以上を賄う。

米国から金を借りて中国に商品を買ってもらう。

米中のバランサーになるというのが彼らの理想だったが、現実には、どちらにもすり寄り、

どちらにも内心の敵意を燃やすという一国バッファーゾーンとなった。

韓国が一国バッファーゾーンとしての役割を全うするには、

順調な貿易、特に対中輸出を維持するか伸ばすかしなければならない。

だが、「アベノミクス」は円高を是正し、韓国のウォン安時代は終わることになる。

日本製品が安くなれば、わざわざ韓国製を買う必要がなくなるのも道理である。  

また、米国は10年前から在韓米軍の削減を実行している。

韓国は安全保障への米軍の関与を維持しようとし、韓国軍の指揮権引き継ぎを2015年末まで

延ばしてもらった。だが、在韓米軍の撤兵は続く。代わりに、韓国の弾道ミサイル射程を

800キロまで伸ばすことで米韓両国政府は合意した。  

 

貿易面で対中依存、安保面で対米依存が減じれば、韓国は済州島の海軍基地の完成後、

中国船舶を引き入れる可能性がある。

バッファーゾーンであるよりもバランサーでありたいという意識が、欠損を埋めようとするからである。  

 

韓国の最も大きな誤認は、地図上の大国に事大主義で仕えている限り、日本を敵に回しても構わない

という甘えであり、この甘えが日本の防衛、ひいては、東アジア全域の安全保障に重大な危機を

もたらすということがあり得る。  

従って日本は、あくまでも韓国をバッファーゾーンに固定するように施策を練る必要がある。

とりあえず、「助けない、教えない、関わらない」という3カ条で、韓国の甘えを断ち切り、

バランサーが夢であることを自覚させることから始めたい。

経済で困っても助けない、企画や技術を教えない、歴史問題などで絡んできても関わらない。

これが日本にはなかなかできない。努力が必要である。  

 

「出島化」した韓国には内憂が付きまとう。

大財閥がGDPの70%余を稼ぎ出し、サムスン電子が22%を占める。

民族の行動パターンは李朝と同じ。財閥企業のエリートが両班であり、一般人は常民だ。

常民はカードの束をトランプのようにし、消費して遊ぶ。彼らの家計負債はGDPの80%に達した。  

 

両班・常民の階級選別は大学入試という「科挙試験」で固定化され、敗者復活戦のない、

希望のない差別社会が生まれ、自殺率は経済協力開発機構諸国随一となった。

次期大統領、朴槿恵氏のスローガンは「幸せな国にします!」である。  

 

今日はその「竹島の日」  

北朝鮮には、金王朝発祥の地で民族の聖地である白頭山がある。

韓国には長く聖地がなかったが、日本からもぎ取った竹島を、

不当にも、「独島」と改名して反日の聖地とした。

聖地には、北でも南でも詣でる人々が引きも切らない。「ウソも通ればめっけ物」の国々である。

うっかり深く付き合ったり共生したりしてはならない。

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民族の習性なのか、、、 歴史は繰り返されている。

日本は歴史の事実だけを鑑み、勉強をしながら一歩一歩進んで行けば良いと思う。